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MRI について

MRI の画像に関しては、負担の多さに比べて得られる情報が少ないです。症状が良くても画像上は悪いケース、その逆のケースもあるそうです。

はるさんの場合、3 回目の MRI では検査機関の技師さんも硬直間代発作が発生するのに大脳に病変が見つからないことに驚いていましたが、全てが画像に出てくるわけではありません。例えば毛細血管に血栓や梗塞がある場合など、MRI には映らない症状によりてんかん発作が起きているケースなどもあります。

脳炎における MRI のメリットは、どこに炎症が出来ているかによってどんな症状が出るかを理解できることと、あくまでも画像上ですが今の治療で炎症がどの程度抑えられているかどうかの確認ができる程度です。ですので、少なくとも薬でコントロールできる場合は不要だと思います。たとえ薬でコントロールできていない場合でも、今後進めていく治療はほとんど変わらないのです。

私の場合ははるさんの病気の理解のためと、何か闘病に役に立つのではとの思いで 3 回もはるさんに大きな負担を強いてしまいました。

2018 年 2 月に実施した 1 回目の MRI では延髄と小脳に病変があること以外は教えてもらえた点はなかったので、2 回目と 3 回目の MRI で分かったことを参考までに記載しておきます。大体こういったことが分かるので、わんさんの負担と検査の必要性を検討してもらえればと思います。

2 回目 (2018年4月)

主治医の見解:
画像を見る限り、前回の MRI では延髄の背側に左右ほぼ均等にあった炎症が、今回は延髄の右側の炎症が消えていて、左側は腹側に移動して範囲が広がっている。経過を考慮すると、一度は左右全体に広がった炎症が治ってきて左が残っているではとのこと。今回の画像では、壊死があるかどうかの判断はまだ難しい。

脳脊髄液内(CSF)の細胞数、おもにリンパ球が正常値の 2 倍以上の 12 個 (通常は 5 個/1 µl) で、お薬の量と期間が多いにも関わらず、炎症はまだアクティブに活動していると思っていいとのこと。

脳脊髄液の検査結果から、今回はジステンパーウィルスは陰性。好中球などの体液性免疫担当細胞ではなく、リンパ球(小単球と大単球?)など細胞性免疫担当細胞が多いため、細菌性ではなくウィルスか自己免疫系とのこと。抗アストロサイト自己抗体の結果は陽性だが、これは GME、NME ともに陽性の場合もあるので判断基準にはならない。


3回目 (2018年12月)

検査機関の見解:
事前の神経検査の結果から、神経症状はだいぶ進んでいる。意思の疎通も難しくなって来ている。

画像からは前回も見られた延髄と橋の炎症はそんなに広がっていないが、今回は小脳の方に更に広がっていて、これが手足の調律が悪くなっている原因になっている。小脳部分のシワの溝は少し大きくなっていて全体的に萎縮しているため、少し壊死している感じもある。

大脳部分には異常は見受けられない。大脳に損傷がない限りは全般発作(間代発作のことなのか?)は起きないはずなので、もともと持っていた特発性のてんかんが発症した可能性もあるとのこと。

白血球の細胞数自体は前回と変わっていないため、脳炎自体は薬で抑えられているのではとのこと。

炎症の方はそこそこコントロールできているため、もし全般発作の頻度が減らないのであればステロイドや免疫抑制剤は減量できる可能性があるとのこと。


主治医の見解:
てんかん発作の症状と MRI が全く合致しない。画像所見上大脳に問題は見つからない。脳脊髄液がどこかで詰まっている様子もない。

炎症や浮腫については軽度だと画像に映らないこともある。壊死を起こすほどの大きなもしくは強い炎症ではないので画像に映っていない可能性や、小さな脳梗塞や脳出血を起点に発作が起きている可能性もある。薬剤により血圧が上がったり血栓ができたりすることもある。

小脳についてはやはり萎縮していて、一度腫れて萎んだ可能性もある。

抗てんかん薬は減らしてもいいかもしれないが、プレドニゾロン、免疫抑制剤についてはこれだけ長い期間飲んでいてこれしか抑えられていないことから減らせない。


MRI 検査の豆知識

+ 同じ検査機関でも検査施設が複数ある会社の場合は導入されている機種によって鮮明さが異なります。

+ チワワのような小さいわんさんの場合はどうしても血液が混ざってしまうケースがあります。1 度目の検査ではそれを理由にまったく調べて貰えませんでしたが、その場合でも白血球数を調べる方法はあります。

+ 私の利用した検査機関では MRI 画像は CD-ROM 等で貰うことができました。自宅に Mac があれば Osirix の Free 版で見ることができます。


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