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鍼とカイロについて

鍼灸

てんかんの重積発作以降はいつも手足が冷たかったため、その少し前に自宅で棒灸を使いツボを温めたりしていました。炎症のある箇所は温めるのを避けたほうがいいそうなので、主に下半身を温めていました。
亡くなる 4 ヶ月前に初めて鍼にも挑戦しました。東京では有名な鍼灸の先生からの紹介で自宅に往診に来ていただきました。
東洋の治療は時間がかかるのかもしれませんが、はるさんの場合は残念ながらいずれも効果はよく分かりませんでした。

カイロ

こちらは脳炎やてんかん発作への効果というよりも、血行を良くして漢方の効きを良くすることを目的として、亡くなる 3 ヶ月前に初めて施術してもらいました。
施術自体はとても短いのですが、その後は脚が動きやすいのか軽やかに歩いたりする様子が見られたので、亡くなるまでの間に計 3 回ほど施術をしてもらいました。

はるさんが亡くなる頃には健康時の半分以下まで体重が下がり筋肉も減っていました。それなのに前日までいつもと殆ど変わらず自分で歩けていたのは、カイロのお陰もあったのだと思っています。

理屈としてはカイロで脳と末梢神経間の神経の通りをよくしてあげることで、脳が体の状況をよく理解できるようにし、脳からの命令も速やかに末梢神経に届くようにするというものです。一般的に言う "健康な状態" は体にとって最も負担が少ない楽な状態であり、脳はその楽な状態を快として認識するため、その状態を記憶させることで脳が身体を健康な状態に戻そうとし、結果的に恒常的に体が健康でいられるようになるというサイクルです。

そのため、カイロで脳が体からの信号をキャッチしやすい状況になっている時に薬などの対症療法で症状を抑えてしまうと、脳が病気を認識できず治そうとする正常な働きをしようとしないため、なるべく対症療法はしないでほしいと言われました。最初はその通り様子を見ていたのですが、最初の説明の通り脳炎やてんかん発作の頻度には変化がなさそうなので、ほどなくいつもの対応に戻しました。

私は東洋医学をあまり信じていない方だったのですが、実際に私も施術してもらったところ施術後は視界から入ってくる情報や歩き方などが変わる不思議な体験をしました。

はるさんの主治医の先生もそうなのですが、毎回お伺いする度にきちんと理にかなった説明をしてくれる説明好きな先生でした。最初に相談した際も、脳炎やてんかん発作に関しては恐らく力になれないと正直に仰ってくださいましたが、血行を良くして漢方の効きを良くする効果なら得られるということで再度お願いした経緯があります。私にとっては納得して進むことが大事なことでしたので、大変ありがたかったです。はるさんがお世話になった漢方の病院へも遠方ながら毎月往診に行かれていて、シニア犬や末梢神経障害のあるわんさんでいつも予約が埋まっていました。

この先生には実質 3 回しかお会いしませんでしたが、予約の前日に亡くなったことを報告させていただいた際にも気持ちのこもったお返事をいただきました。この方もご自分のお仕事に誇りと信念を持っている方だなと感じていましたが、そういう方はやはりはるさんにも真剣に向き合っていて、ビジネスライクになりがちなお悔やみの言葉もすんなり心に届きました。はるさんがくれた大事な出会いのひとつでした。


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